外国語科の新教材”We Can!”~①小学校5年生

小学校外国語活動に関する話題についての3つめ、
新教材についてです。

新教材 “We Can!” について

文科省では、
小学校高学年用外国語教材の児童用冊子、教師用指導書を作成し、公表しました。
そして、今年の9月21日(木)に新教材説明会を都道府県教育委員会を対象に開催し、
新教材の活用等について説明を行ったそうです。

10月12日には、
その説明会での配布資料等を文科省のHPにアップしました。
掲載した内容は下記の通り。

①5年生教材(表紙、Unit 1 ~ Unit 8、付録)
②6年生教材(表紙、Unit 2 ~ Unit 9、付録)
③配布資料(教師指導書、学習指導案例・年間指導計画例当、指導体制等)
④年間指導計画例(第3学年~第6学年)
⑤活動例(第3学年~第6学年)

また、この児童用冊子及び教師指導書については、転載等は禁じられているので、
基本的に、言葉のみでお話を進めることをお許しください。

5年生の Unit 1 を見ると

それぞれの Unit についてお話していくといいのでしょうが、
今回は、5年生と6年生の Unit 1 についてのお話をしていきます。

Unit 1 Hello, everyone. の構成

・Unit 1 のタイトルは、”Hello, everyone.” で以下のような構成になっています。

① Let’s Watch and Think 1 ・・・動機付け
-映像を見て、世界で活やくする日本人について、知ろう。また、日本で英語が使われている場面を見てみよう。

② Let’s Listen 1
-登場人物がどのようなものが好きかを聞いて、線で結ぼう。・・・[1]聞くこと
Let’s Play 1 先生の好きなものを予想してたずね、表に書こう。
・・・[2]話すこと<やりとり>
Let’s Play 2 友達の好きなものを予想してたずね合い、表に書こう。
・・・[2]話すこと<やりとり>

③ Let’s Listen 2
-登場人物と名前で線で結び、好きなものを聞いて、▢に書こう。・・・[1]聞くこと
Let’s Play 3 友達の好きな色・食べ物・テレビ番組をたずね合い、わかったことを表に書こう。・・・[2]話すこと<やりとり>

④ Let’s Listen 3
-登場人物がどのようなものがほしいかを聞いて、空らんに書こう。・・・[1]聞くこと
Let’s Play 4 ほしいものを予想してたずね合い、それがほしい友だちが何人いるか、表に書こう。・・・[2]話すこと<やりとり>

⑤ Let’s Watch and Think 2
-映像を見て、登場人物の好きなものや好きなこと、ほしいもの、持っているものなど、わかったことを空らんに書こう。・・・⑥ Activity への動機づけ

⑥ Activity
-好きなものやほしいものを▢に書いて、自己紹介をしよう。・・・[3]話すこと<発表>
・colors  ・sports  ・animals  ・TV programs  ・foods

⑦ Story Time・・・読み聞かせから→[2]読むこと
Hi, my name is Kazu.
I like cats and dogs.
I like soccer and baseball.

このような7つのパートで1つの Unit を構成しています。

計画されている授業時数は、
① Let’s Watch and Think 1 ・・・1時間
② Let’s Listen 1 & ③ Let’s Listen 2 ・・・2時間
④ Let’s Listen 3 & ⑤ Let’s Watch and Think 2 ・・・3時間
⑥ Activity & ⑦ Story Time・・・2時間
計8時間(ほぼ1か月)で、Unit 1 を終える計画になっています。

扱っている題材は・・・

・題材は「自己紹介」で、そこへつなげるために、
・自己紹介の仕方
・名前のスペル
・I like ~. / I don’t like ~. / What (color) do you like? の表現
・I want ~. / What do you want ? の表現
などを Unit を通して学んでいくことになります。

基本的な流れとして

この構成をみると、
基本的に
Let’s Watch and Thinkこれからの学習・活動の動機づけをし、
Let’s Listen では、
「聞く」活動から、「話す」活動へと移行させて、
それを繰り返し中で、それぞれのUnit の目標に必要な語句や表現に慣れ親しみ
Activity で、自己表現(発表活動・output)につなげていくという形になっています。

そして、最後に当該 Unit で学んだ表現を文字として
表記した Story Time を設定することにより、高学年からの導入が決まった「読む」活動に踏み込むという作りになっています。

実際にこれを授業で扱うと・・・

実際にこの指導計画でやるとどうなるのでしょう?

現在の Hi, friends! 1 (現在の小5対象の補助教材)の内容と比較すると
ある程度様子が予測できるのではないかと思い、比較してみました。

Hi, friends! 1 Lesson1 Hello!・・・あいさつと名前(2時間)
Hi, friends! 1 Lesson4 I like apples.
ー I like dogs. Do you like dogs? Yes, I do. / No, I don’t. I don’t like dogs. (5時間)
Hi, friends! 1 Lesson5 What do you lilke?
ー What do you like? What color do you like?  I like ~. (4時間)
Hi, friends! 1 Lesson6 What do you want?
ー What do you want? I want ~. アルファベットの大文字 (5時間)

現行の5年生が、16時間でやっていたものを、
新教材では、3・4年生で「外国語活動」を経験した後では、
8時間で、Unit1 で終えることになるわけです。

おそらく、
新教材の Unit 1 は、小学校中学年で「聞いたり」「話したり」して
活動してきたものをベースとして、ある程度自己紹介ができるレベルまでにして、
小学校5年生の最初に持ってくる、という発想なのだと思います。

心配なことを挙げるとしたら、

①習得を求めない中学年での活動を
ー小学校5年生でどれだけ覚えていられるのか?・・・子ども側の問題
②中学年の指導と高学年の指導の連続性は
ー補償できるのか?・・・指導側の問題
③この指導内容の他に、
ーSmall Talk を帯学習として実施できるのか?・・・指導側の問題
④新しく導入された
ーStory Time の扱い方・・・指導側の問題
などがあります。

全般的に、当たり前と言えば当たり前なのですが、
2年間の積み重ねの上での指導なので、
やはり内容は濃密です。

中学校で、英語が一番嫌われる理由は、
最初のつまずきが、そのまま解消されずに
どんどん新しい表現を学ばなければいけないので、
教科書の内容から取り残されてしまうからです。

そんなことが、

小学校でも同じ状況が起こらないでしょうか?

ちなみに、
小学校に外国語活動が導入されてから、
中学校の英語教員は、中学校に入学した時点で生徒たちに
英語学習に対する意欲の格差が大きくなったと感じています。

ひょっとしたら、
同じ小学校の中で、
中学年と高学年で同じような意欲の格差は生じないでしょうか。

そんなことが心配される新教材でした。

今回はここまで。

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